***  4月の詩  ***

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 ドラム缶


きみはだれ
春の陽だまりのなか
ふと目が合った
初対面

並んだ二つのぽっかり穴
なぜかひとなつこそうに
笑って見える

おーいと声をかけてみる
やわらかな響き
返ってくる小さなこだま

まるで
ずっと前からの知り合いのよう
親しげに首をかしげる
ドラム缶

それにしても君の肌
とっても粋なさび色だね
雨の歌をいくども聞いて
風の話もいくども聞いて

そんなきみの見てきた日々を
ゆっくり座って
触れてみたい
しばらく並んで日向ぼっこ
きみのからだも日向ぼっこ

こんどはなかにあかあかと
炎を燃やしているときに
きみの熱い夢そのものの
輝く瞳を見せておくれ

二人の夢を語り合おうよ






4月の詩 ドラム缶

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