***  11月の詩  ***

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 キリンソウ


背の高さは負けないよ
伸びの速さでも負けないよ
こんなに鮮やかな花も咲くのに
どうしてだろう嫌われもの

外国からやってきたからなの
仲間がすぐ集まるからなの
少し繁殖力が強いからなの
ぼくの笑いが肌に合わないの

キリンソウってつけられた名前
自分では気に入っているんだ
名前を聞いただれかがやってきて
友だちになれるかもしれないから

一緒に風に吹かれようか
せいくらべをしてみようか
鮮やかな黄色の花のプレゼント
君のニコニコ笑顔と交換したい

どんなに疎まれても
踏みつけられても抜かれても
狭くほこりっぽいところでも
こうしてぼくは生きている

だって生きるために生まれたんだもの
花を咲かせるために生まれたんだもの
いのちの大切さは生きること
それはいのち自身が知っている

いまは
しましまの一本足さんが友だちさ
寄り添うようにずっと一緒
おまけに背まで測ってくれて
強い風には支えてくれる

でも
だれか来ないかな
君がこっそりでも来ないかな







11月の詩 キリンソウ

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