***  6月の詩  ***

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 空のバラ


空にも
花びらがある
サテンのつややかさの
花びらが

バラは
真っ白な自分が
あの空から
生まれたと信じた

少し湿り気をおびた
やさしい風が
通り過ぎるたびに

バラは
白い花びらを揺らし
空は
大きな雲の花びらを揺らした

小さなバラ園が
花たちで
埋め尽くされるように

どこまでも続く空は
雲の花びらで
埋め尽くされていた

呼んでみていいのだろうか
バラは
さっきから思っていた

少しだけ強い風が
バラの花びらに
輝きを与えたその時に

呼んでみていいのだろうか
真っ白な光ることばで
「お母さんって」








6月の詩 空のバラ

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