輝くものは 輝くものはなに 雨上がりの朝 新芽の先の虹色の露 今日も蒸し暑いねと 低いトーンうつむく瞳 海の匂いの風にからむ 祭りの太鼓のまだ拙い音 輝くものはなに 綿菓子をほぐした雲 青い空の踊りの広場 さえずりあう鳥の声 通奏低音は路地裏の土鳩 ふっと息を吐き前を見る ここにしかないひとつの時間 輝くものはなに 一瞬で通り過ぎる思い出 あの時とおなじ白い蝶 手首の脈に似た問いのリズム 夏が色づく文月の紫陽花 祈るより艶やかな葉裏の緑 刻みつづけるめぐる願い そっと顔を近づけてごらん 耳元に囁かないものはない ケースに並ぶ高価な宝石より あなたがいつでも手に触れる 輝くものはなに |
|||
Copyright© 2019 yumegoro (shiawase no kijun)