***  10月の詩  ***

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しんとして
わたしは
ひかりの道を探している
ひかりの生まれる場所を探している

みあげると
どこまで
白い羊の群れが続いている
秋の空にふわふわとひしめいている

風が吹いて
音が戻る
呼吸することを思い出し
真っ白な芙蓉の戻り花に指を触れる

場所が動きはじめる
場所を求めて
小さな種をそこに蒔いて
発芽したばかりの雛に餌を探すため

透明な鍵がある
澄み渡って
透明人間になったように
水平線まで染みこむステンドグラス

ことばだって
印画だって
声をかけるものは場所に帰る
手習いの魔術師の失敗したいたずら

たったひとつ
ときはなて
もう二度と生まれない
この世で最後の記憶ふるさとの場所

place
わたしの場所
わたしにひかりが満ちる場所
わたしのひかりが静かに望める場所









10月の詩 place

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