***  12月の詩  ***

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 かおがある


かおがある
ゆったりとかおがある
きくみみのない
かぎわけるはなのない
ゆうれいのようなかおがある

かおがないとさみしい
みなれたかおであろうと
ふっとみつけたかおでも
ちょうがとぶように
ふらふらとかおをさがす

かがみがあればいいじゃないか
のべつまくなしの
がめんがあればいいじゃないか
おどろくほどのかおが
じかんのようにさまよっている

かおをさがしてピントをあわす
かおはボケてはいけない
せんめいにかたらねばいけない
ぼーっとかおのむこうをみる
かおをとかすパズルがはじまる

かおがある
ピントをはずされて
ほっとしているかおがある
かおはゆっくりとかえる
たらちねのははのむなもと

かおはかおからうまれる
かおはかおじしんにはあえない
わたしもわたしにあえない
かがみってきっとわるいゆめ
しゃしんだってわるいいたずら

かおをみるのをやめる
わたしをみるのもやめる
ふっくらささくれたふうせん
ぱんっとわるもずのなきごえ









12月の詩 かお

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