***  1月の詩  ***

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 ワルツ


積み重ねる
洗い終わった皿を

折りたたむ
忘れられた包装紙を

窓を開ける
お気に入りのタオルを持って

子どもたちの声がする
こだまのように遠くから

甘酸っぱい匂いがもれる
いつものお隣あたりから

空にはふわっと
真っ白なイルカが跳ね

青い波間に懐かしいひとが覗く
いまだ泣くことができないひとが

どこから来たかを聞きたかった
どこへ帰るのかはわからないまでも

ベランダの手すりに
てぃんと着地する光のグライダー

セキレイの震えるタクト
澄んだことばを刻むように
振りはじめる三拍子









2020年1月の詩 ワルツ

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