***  8月の詩  ***

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 夏姫


わたし 待っています
見つけてくれるまで
じっと待っています

夏の強い陽ざしに
目を細めながら
それでも音なく笑むあなた

一瞬目が合ったのに
どこかで鳥が鳴いたように
どこかで風が疼いたように

自分の夢に
急ぎの用事を思い出して
足早に過ぎていったあなた

わたし 待っています
立ち止まってくれるまで
じっと待っています

夏ってそういうものでしょう
流れる汗にも関わらず
見続けてしまう呪術の季節

あなたはまた来ます
ふっと隠れたり
変装してごまかしたりせずに

張り付く強い短い影の
守護霊を身にまとい
百日紅の花の影から すっと









7月の詩 夏姫

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