夏姫 わたし 待っています 見つけてくれるまで じっと待っています 夏の強い陽ざしに 目を細めながら それでも音なく笑むあなた 一瞬目が合ったのに どこかで鳥が鳴いたように どこかで風が疼いたように 自分の夢に 急ぎの用事を思い出して 足早に過ぎていったあなた わたし 待っています 立ち止まってくれるまで じっと待っています 夏ってそういうものでしょう 流れる汗にも関わらず 見続けてしまう呪術の季節 あなたはまた来ます ふっと隠れたり 変装してごまかしたりせずに 張り付く強い短い影の 守護霊を身にまとい 百日紅の花の影から すっと |
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