混沌 崩れかけたキカラスウリ 季節の熟成の抱いた 混沌という無数の種 向かいの校舎からは 授業の休み時間なのか あけ放った窓から声の花火 裏門近くひっそりとアジサイ 花は天然のドライフラワー 梅雨の頃よりも深くやさしい ふっと思い出す昨夜の夢 断片だけがとびとびに浮かび 浮かんだそばから消えてゆく いつから嫌いだった灰色 冬の曇り空のような不安 全ての色を混ぜれば灰色なのに ここにとどまれるか 自分の影を探しに行くことなく 耐える自由を楽しめるのか ネガティブなものはない 不安ですらやわらかな夢 混沌は出発という名の宝石 だれでも錬金術師になれる 崩れかけた実に溶けて 五感の灰色を黄金色に解けばいい |
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