声 どこかで声がする やわらかな色の衣のむこう それは呼んでいるのか それとも歌っているのか 声はどこかへ消えてゆく とどめるすべはない けれど聞いた声は わたしのこころに残る 欲しいものを得るために 収集する必要はない 見て聞いて触れて わたしのなかにおけばいい すぐれた輝きに触れたとき 抱かれて同化するように そっといのちの布で包めば わたしだけの宝物になる 声はもう消えることはない たとえ忘れたとしても わたしのこころのなかで ゆっくりと熟成される どこかからやってきて どこかへと帰ってゆく そのわずかのあいだ 出会う声たちが愛おしい |
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