***  4月の詩  ***

戻る


 花の祭り


祭りがはじまる
この世界にやってきたときの
祝福のことば
透明なつながりの糸

まっさらなようにみえて
新たな無垢が呼び起こされる
取り巻くのは色彩の衣
伸びてゆけ先端

覚えるべきことは
じっと待っていればいい
祭りの余韻の湯気の匂い
記憶にしまわれる匂い

並行のラインが増えた分
無数の手が携えられ
運ぶひそかな息がそろう
祭りはからだに溶けてゆく

生まれたものはなんだろう
ただいのちを保つことだけか
ひとつのことを続けることか
変換して表現することか

その結果は決してわからない
だれひとり教えてはくれない
あの世界へと帰るときに
もうひとつの祭りがはじまる









4月の詩 花の祭り

Copyright© 2021 yumegoro (shiawase no kijun)