秋の薔薇 晴れた秋の朝 深紅の薔薇に会いにゆく 朱色に熟した柿の実と まだ夏色の烏瓜の 見送る路地を抜けて 空にはひこうき雲 風にもてあそばれて さざめき笑い広がって 再会のあなたは 昨日よりも艶やかだ 通り過ぎるだれもが これっぽっちも 気がつかないくせに ピンと張った触角と 羽のふちを光らせた 小さな蝶は挨拶にくる あなたはずっしり重い この惑星の姫だから 秋が突然深呼吸をする 踊り子の残り香が ビロードの舌に届く わたしの重さは あなたの一日にもかなわぬ 夢の結界をたとえ超えても |
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