***  11月の詩  ***

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 秋の薔薇


晴れた秋の朝
深紅の薔薇に会いにゆく

朱色に熟した柿の実と
まだ夏色の烏瓜の
見送る路地を抜けて

空にはひこうき雲
風にもてあそばれて
さざめき笑い広がって

再会のあなたは
昨日よりも艶やかだ

通り過ぎるだれもが
これっぽっちも
気がつかないくせに

ピンと張った触角と
羽のふちを光らせた
小さな蝶は挨拶にくる

あなたはずっしり重い
この惑星の姫だから

秋が突然深呼吸をする
踊り子の残り香が
ビロードの舌に届く

わたしの重さは
あなたの一日にもかなわぬ
夢の結界をたとえ超えても









秋の薔薇

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