なにもない場所 なにもない場所がある いまは なにもない場所がある 少し前までだれかがいたのか だれかはどこかに行ってしまい もう戻って来ないのだろうか なにもない場所には 陽が当たっている 少し前までは陰だったに違いない なにもない場所には こうして陽が戻って来る わたしはもうここを離れよう わたしの立っていた場所は なにもない場所になる なにもない場所は覚えているのか 頭上高く鳥が鳴き旋回している 見上げるとすぐに鳥は消えた あとにはなにもないない蒼空 でもわたしは知っている なにもない場所には なにもなかったわけではないと なにもない場所に わたしは確かにいたのだと わたしが消えた後も |
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