***  4月の詩  ***

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 白


花が散っても悲しまないでおくれ

青い空には雲の白が生まれている

きみの白と
ぼくの白と

ずっと前からおなじだったかい

カンバスに塗り重ねた白と
カンバスに塗り残した白と

はじめはどちらもごまかしていた

時間のヒビが少しずつ隙を開いて

ピースの色の白か
ピースが抜けた白か

ほら、遠くから見たジグソーパズル

だれだって一枚の絵だと思っている

きみの白は重すぎて剥がれ落ち
ぼくの白は風で穴があいていた

花が散っても悲しまないでおくれ

ピースの陰から次の白が呼んでいる









4月の詩 白

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