***  8月の詩  ***

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 惹かれるもの


惹かれるものがある

理由がわからなくても
振り返るほどではなくても

遠い昔の記憶なのか
戻りたいとの執着なのか

歩いているのはいまのわたし
足は止まることもなく前に

距離は離れてゆくはずなのに
あの道しるべの大きさは同じ

惹かれるものがある

抱く時も抱かれる時も
残っているはずの感触が

道端の背の高さの草たちに
放電されるように吸い込まれる

ぽかんと見上げてみるがいい
どこからも仰げる空のまんなかに

魂の集まりのような微笑みたち
ほら 雲 ほら 雲 ほら 雲

惹かれるものがある
それだけで生きるのもいい









8月の詩 惹かれるもの

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