惹かれるもの 惹かれるものがある 理由がわからなくても 振り返るほどではなくても 遠い昔の記憶なのか 戻りたいとの執着なのか 歩いているのはいまのわたし 足は止まることもなく前に 距離は離れてゆくはずなのに あの道しるべの大きさは同じ 惹かれるものがある 抱く時も抱かれる時も 残っているはずの感触が 道端の背の高さの草たちに 放電されるように吸い込まれる ぽかんと見上げてみるがいい どこからも仰げる空のまんなかに 魂の集まりのような微笑みたち ほら 雲 ほら 雲 ほら 雲 惹かれるものがある それだけで生きるのもいい |
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