***  3月の詩  ***

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 じっと


じっと見ていたい
立ち止まった理由

一歩近づくことも
声をかけることも

何かを失いそうで
異なる景色になりそうで

突き刺さった杭のように
定められた結界のように

じっと見ていたい
ささやきは風のガラス

生まれようとするもの
羽化しようとするもの

包まれようとは思わない
まして包もうなどとは

指先が動きたがっている
制止するものが熱を奪う

じっと見ていたい
生まれるものは

食いつくすだろうか
わたしのことばを









3月の詩 じっと

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